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5話 Bグループ決勝戦

Penulis: 雪白ましろ
last update Terakhir Diperbarui: 2025-11-27 21:32:31

第一試合から順調に試合は進んでいき、彼は順調に駒を進め、

決勝まで来たのだが相手は先日のユニコーン騒ぎでひと悶着あった白髪の剣士だ。

「これよりBグループの決勝戦を開始します!

えー、一番と八番の決勝戦ですが、

なんとお互いに真剣を使っての試合を望んでいるようです!」

決勝戦ともあればある程度のわがままは通るはず。

どうやらお互いに考えていることは同じようだった。

「ただいま入った情報ですが、

事前にお互いが大会運営に直談判し、運営はこれを許可したそうです!

さぁ盛り上がってまいりました!」

観客から歓声が上がる。

「では改めまして、Bグループ決勝戦!始めてください!」

お互いに目線を合わせ、自前の愛刀をまずは一本抜いて見せる白髪の剣士。

彼は最初から魔力糸で年季を感じる鉄の剣に接続し、

剣を浮遊させている状態で待機させる。

「嬉しいね。こんな老いぼれに初めから”それ”で戦ってくれるのかい」

「そういうあんたは初めから二本抜かないんだな」

「おうさ、こんな楽しい戦いに初めから全力で戦ったらもったいねぇのよ」

「そうかよ」

「ではまずこちらから行くとするかね」

瞬間、白髪の剣士の姿が消える。

細身の剣士の膂力とは思えないほどの速度で、彼の背後に回り込む。

それを目の端でしっかりと追えていた彼は上体を反らし突き技を躱す。

「やるね」

白髪の剣士が彼の背後から攻撃を繰り出したと同時に、

彼の魔力糸で接続された剣が更に白髪の剣士の背後から音もなく切りかかる。

死角からの一撃を突きの動きから連動する形で、

左手に剣を持ち替えノールックで迎撃する。

木剣同士では決して出ることのない真剣同士の衝撃音が響き渡る。

ガキィインと大きな音が闘技場内に響くと同時に、

会場がどよめくと同時に沸き立つ。

空中の剣と鍔迫り合いをする形だが、注意は彼に向けられたまま。

剣同士でぶつかっていては彼の攻撃を防ぐことはできない。

この大きな隙を逃すはずがない。

素早く体制を立て直し、上段から繰り出される一撃は白髪の剣士を捉える。

ことはなかった。右手で腰に差した二本目の剣を素早く抜くと、

彼の放った両手からの一撃を受け流すように刀身を滑らせて防御する。

一連の動きがお互いに不発になり、一旦距離を取りあう。

「いやぁ、こんなに早く二本目を抜くことになるとはね、

そのフワフワしている剣の技術、名前はあるのかい?」

「浮遊剣」

「なるほど、浮遊剣ね。

どうやって制御しているかはよくわからんが、その剣からも魔力を感じる。

だからユニコーンの時と言い、自在に操れるってわけか」

ユニコーンを討伐したときにこの白髪の剣士が口パクで言ったことを思い出す。

(空中のあの技、見事だった)

(隠したいんなら、もうちょいうまくやんな)

「今更だが、何やら隠しておきたい技術だったようだが、見せてよかったのかい?」

「かっこいいところを見せるって約束したからな」

「そうかい」

「次はこちらから行かせてもらう」

右足に魔力を集中して、ユニコーンを突進して討伐したときと同じ構えを取る。

彼の姿が消える。最初に白髪の剣士が見せたよりも速く、

そしてユニコーンを倒した時よりも速い速度で突進し中段から薙ぎ払われる。

「それはもう見た」

白髪の剣士は後退や横に移動するのではなく前進で彼の攻撃を躱す。

下手に剣同士で打ち合うと最悪武器が破壊される強度で繰り出されたことを瞬時に理解し、

行動に移すまでの時間の短さ

(この男、相当戦闘に慣れているな)

「もらった」

白髪の剣士が彼の肩口めがけて繰り出されるが、

これも彼の操る浮遊剣で防がれる。

お互いに攻めと守りがめまぐるしく入れ替わるが、膠着状態が続く。

(剣のみでは埒が明かないな)

早々に剣のみの果し合いに見切りをつけ、

両手で握っていた剣も浮遊剣にする。

「剣でだめなら、そらきた!」

無数のファイアボールが白髪の剣士に向けて射出される。

始めから槍や矢、果ては手裏剣のように形状変化し、

回転しながら白髪の剣士目掛け様々な軌道から接近する。

これを剣で弾き、躱し、防戦一方になるが。

着実に相手の狙う癖を覚えていく。

まさに年季の入った防御態勢。

これをすべて受け流し切った後に、彼を見ると

手の上には浮遊剣を形状変化させた螺旋を描いたような形に、

強引に捻じ曲げられた剣というより槍に近い形状へ変化させていた。

「なんだい、そりゃあ」

思わず白髪の剣士が溢す。

そう、彼の神髄とは形状変化でもなく、性質変化でもなく。

念動魔術だったのだ。

この念動魔術によって、

剣が捻じれ、空間に強引に固定することで自壊を防ぐ。

螺旋剣を魔術で形状変化させた火の大弓に番えたと同時に、

螺旋剣が高速で回転を始め、風切り音が響き、砂埃が舞う。

白髪の剣士はじわりと脂汗が滲むのを肌で感じる。

久しぶりに死のイメージが沸くが、

これを受けきれば俺の勝ちだという漠然とした直観が表情をにやりとさせる。

(この状況で笑うか)

彼もあの狂戦士に合わせて更に回転数を上昇させる。

これ以上は本当に殺しかねない。

だが、殺すつもりでこの技を放たなければきっと負けるだろう。

考えていることはお互いに同じ。

極限まで貫通力が高められた螺旋剣が放たれる。

それを躱せない速度で、狙いも胸元目掛けて正確に。

白髪の剣士はこれを受け流そうと二刀で構える。

螺旋剣と二刀がぶつかる。

ギュイィィィンと剣同士が衝突したとは思えない音が響き渡り、これを神業の如き反射神経で正確に受け流そうとしたが、刀身から螺旋剣を滑らせられなかった。

二刀に一瞬でヒビが入り、螺旋剣は白髪の剣士の愛刀を粉々に打ち砕いた。

砕けたことが幸か不幸か、衝撃で螺旋剣の軌道がほんのわずかに変化し、

白髪の剣士の頬を掠めていく。

頬から鮮血があふれ出るが、

(この程度で済んだのは奇跡だな。今までありがとうよ。お前たち)

あったのは勝負に負けたことへの悔しさや、

愛刀を破壊されたことへの怒りではなく、

今まで苦楽を共にしたことへの感謝の念だった。

降参の意味も込めて白髪の剣士が手を上げる。

「勝負あり!勝者八番!Bブロック優勝!」

これでBブロックトーナメントは終了。

残すはAブロックで優勝した奴との特別試合となる訳だが、

ここで大会運営アナウンスがかかる。

「特別試合は魔法、魔術の使用を禁止致します。

つきましては、特別試合は木剣のみとさせて頂きます」

繰り返しアナウンスが放送される。

明らかに彼の行動を制限する為であることは間違いないだろう。

そうまでして勝たせたいのがAブロックの相手という訳だ。

選手控え室から出て、軽く昼食を摂ろうと外に出ると、宿屋の親子が彼を待っていた。

「お兄さん!かっこよかったよ!すごーく強いんだね!」

「君にいいところを見せようと頑張ったよ」

「ホントにアンタ何者なんだい?」

少し呆れた表情で女店主が笑っている。そして思い出したように

「アンタ、これから昼飯だろ?うちで食ってくかい?」

「ああ、そうする。頼んだ」

「じゃあもっと試合のこと、聞かせてね!」

「こら!まだ試合が残っているんだから、聞くならその後にしな!」

「ぶー、じゃあ今日の夜にいっぱい聞かせてね!」

「わかったよ」

自分に妹がいたらこんな感じなのだろうか、

彼に家族はもういないが、どこか懐かしい気持ちになる。

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